動物病院で使用される薬を解説。犬の循環器(心臓)の病気を治療するための薬である「血管拡張薬(けっかんかくちょうやく)」について解説しています。

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犬の循環器(心臓)の病気を治療するための薬である「血管拡張薬」について解説
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犬の血管拡張薬(けっかんかくちょうやく)【犬の薬】

血管拡張薬(けっかんかくちょうやく)

血管を拡げることによって、心臓にかかる負担を軽減させる効果を持つ薬が「血管拡張薬」です。
血管が細くなると、血液がスムーズに流れないため、心臓に負担がかかります。
そこで、この薬を使って、血管を拡げて血液をスムースに流れさせることによって、心臓への負担を軽減させます。
血管拡張薬には、血管を緊張させる交感神経の働きを抑えて血管を拡げる「α遮断薬(あるふぁしゃだんやく)」、「β遮断薬(べーたしゃだんやく)」や、血圧を調整するホルモンに作用して血管を拡げる「アンギオテンシン変換酵素阻害薬(あんぎおてんしんへんかんこうそそがいやく)」などがあります。
その他にも、直接血管の筋肉に作用して血管を拡げる「カルシウムチャンネル阻害薬」があります。

●α遮断薬(あるふぁしゃだんやく)【交感神経抑制薬】
●β遮断薬(べーたしゃだんやく)【交感神経抑制薬】
●アンギオテンシン変換酵素阻害薬
●カルシウムチャンネル阻害薬
●その他血管拡張薬(ヒドララジン・ニトログリセリン)

α遮断薬(あるふぁしゃだんやく)【交感神経抑制薬】

血管の筋肉細胞の受容体「α受容体」に作用して、血管の筋肉が収縮しないようにする作用があります。
血管が細くなる原因は、血管の筋肉細胞の受容体「α受容体」が、ノルアドレナリンという神経伝達物質を受け取り、血管壁の筋肉が収縮することで起こります。
α遮断薬は、このα受容体がノルアドレナリンを受け入れないようにブロックすることで、血管壁の筋肉収縮を抑える作用があります。

薬の効能

ノルアドレナリンをα受容体が受け入れないようにブロックすることで、血管壁の筋肉が収縮しないように作用します。

薬の副作用

副作用としては、低血圧になるという症状があらわれます。

処方される薬

プラジシン

β遮断薬(べーたしゃだんやく)【交感神経抑制薬】

心臓の筋肉細胞の受容体「β受容体」に作用して、心臓の筋肉の収縮を穏やかにする作用があります。
心臓の筋肉収縮が過剰になるのは、心臓細胞の受容体「β受容体」が、ノルアドレナリンという神経伝達物質を受け取り、心臓の筋肉が収縮することで起こります。
β遮断薬は、このβ受容体がノルアドレナリンを受け入れないようにブロックすることで、心臓の筋肉収縮を抑える作用があります。

薬の効能

ノルアドレナリンをβ受容体が受け入れないようにブロックすることで、心臓の筋肉収縮を穏やかにする作用があります。

薬の副作用

薬が効きすぎてしまうと、心臓の動きが弱くなる、呼吸困難を起こすなどの副作用があらわれます。

処方される薬

プロプラノロール

アンギオテンシン変換酵素阻害薬(あんぎおてんしんへんかんこうそそがいやく)

ACE阻害薬とも呼ばれています。
血圧が上がる原因は、体内にあるアンギオテンシン酵素という酵素が働き、血液中に「アンギオテンシンU」という物質をつくることによって起こります。
アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、アンギオテンシン酵素の働きを妨げて、アンギオテンシンUがつくられないようにする薬です。
また、この薬には、心筋細胞を保護するという作用もあります。
そのため、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)の治療に使われています。
なお、アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、腎臓病の治療にも効果を発揮することがわかっています。

薬の効能

血圧を上げるための物質「アンギオテンシンU」がつくられるのを防ぐ作用があります。
その他にも、心筋細胞を保護する作用や、腎臓病にも効果があります。

薬の副作用

特に重大な副作用は見られません。

処方される薬

エナラプリル/ベナゼプリル/カプトプリル

カルシウムチャンネル阻害薬

筋肉の収縮は、筋肉細胞内のカルシウム濃度が上がることが原因です。
カルシウムは、細胞膜にあるカルシウムチャンネルという通路から出入りしています。
カルシウムチャンネル阻害薬は、このカルシウムチャンネルをふさぐことによって、カルシウムイオンが細胞に入り込むのを防ぎ、筋肉が収縮しないように作用します。
また、心臓の筋肉に血液を送っている「冠動脈(かんどうみゃく)」という血管を拡げる作用もあるため、心臓の筋肉に、酸素や栄養を与えられるというメリットもあります。

薬の効能

筋肉が収縮する原因である、筋肉細胞へのカルシウムイオンの流入を防ぎ、筋肉の収縮を防ぐ作用があります。
その他にも、心臓に血液を送っている血管を拡げる作用もあります。

薬の副作用

特に重大な副作用は見られません。

処方される薬

ベラパミン/ジルチアゼム/ニフェジピン

その他血管拡張薬(ヒドララジン・ニトログリセリン)

アンギオテンシン変換酵素阻害薬や、カルシウムチャンネル阻害薬が効果をあらわさない際に使われるのが「ヒドララジン」という薬です。
ヒドララジンは、血液が不足している部位への血流が減少するために、あまり使用されることはありません。
その他に、人間の狭心症の治療に使用される「ニトログリセリン」も血管を拡げる作用があります。
ニトログリセリンは、オス犬の場合にはペニス(陰茎)の包皮内に、メス犬の場合には膣内に入れることによって、薬を皮膚から吸収させます。

薬の効能

血管を拡げる作用があります。

薬の副作用

ヒドララジンは、血液が不足している部位への血流が減少するという副作用があります。

処方される薬

ヒドララジン/ニトログリセリン/硝酸イソソルビド


チェック関連症状

強心薬血管拡張薬抗血栓薬




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